No.26 伏見憲明さんとお話しして
伏見憲明さんから取材を受けお話ししてきました 伏見憲明さんをご存じだろうか。性をめぐる問題に関心があるかたならば、たぶん知っているであろう人、それが伏見さんだ。
性の問題でメッセージを発信されておられ、いろいろな著書をお書きになっている方なのだが、入手しやすい著書としては、1997年に初版が出た「〈性〉のミステリー」(講談社現代新書)がある(写真の本)。新書なので価格も手ごろだし、だいたいの書店に置いてあるだろう。
伏見さんが執筆している「性のプリズム」というコラムがある。共同通信社から地方紙に発信されているので、掲載されるのは地方の地元新聞ということになる。全国紙ではないので、東京に住んでいる方は、逆に目にすることは難しいかもしれない。このコラムで取りあげるということで取材を受けたのだ。
6月下旬の日曜日、新宿マイシティ8Fの喫茶店でお会いした。ちょっとかわいいタイプの若いカメラマンも同席していた。「かわいい」という文字を見て女性を連想するのは、意地悪く言えばジェンダーバイアス(ジェンダーによる偏見)にとらわれているともいえる。「かわいい」のは女の子だけではない。ゲイの男性にとってみれば、若い男の子はで好みのタイプであるのならば、十分に「かわいい」わけだし、ナンパしたくなる子もいるにちがいない。
そう、伏見憲明さんは、カミングアウトしたゲイの方である。ゲイの文筆家として名を馳せている方なのだ。伏見さん好みの若い男の子なのかなと思って、取材後、ちょっと質問してみた。しかしこれは予測がはずれた。伏見さんの「恋人」というわけではなかった。
取材を受ける側なので、伏見さんの側からの問いかけが多いのは当然だが、私も、奇譚のない意見を言い、伏見さんと意見交流を行った。
トランスジェンダーのとらえ方、個性か病気・障害かとか、セクシュアルマイノリティとして考えていくべきかどうかとか、そもそも、TSなどといったカテゴリーはありうるのかとか、私も、日頃、問題意識をもって考えていることを語った。
彼の見解にうなずけることも多々あり、その洞察力の深さや視点にも、多くを学んだものだった。そしてなによりも、ものあたりの柔らかい話し方や醸し出す雰囲気に、すっかり虜になってしまったものだった。
うーん、留美子が虜になっても、彼は、私のようなトランスジェンダーとか女性には関心ないんだよね、と、そこで現実に戻り、しばしの楽しい時間を過ごし、喫茶店をあとにしたのだった。