宮崎留美子、桐生女子高・文化祭に行く

 女装者にしてもニューハーフにしても、このような人たちが、高校の文化祭に行くという機会はほとんどないと思います。めったにない体験をしたので、ちょっと詳細に報告します。
 なお、ホームページにアップする写真に顔を出すことを快く承諾して下さった1年3組のみなさん。写真の数が多くて全部の掲載は無理ですので、写真を撮り掲載を了解されたにもかかわらず、掲載できていない方もいらっしゃることをご容赦ください。

 

桐生女子高 「すずかけ祭」 全景

展示で、私のホームページの紹介

 

1年3組生徒と展示写真は、ここをクリックしてね

 

 群馬県立桐生女子高等学校の文化祭(すずかけ祭というそうです)に行ってきました。というのは、この高校の1年3組で、展示のテーマとして「性同一性障害」をとりあげるとのことで、ホームページを見て私のところに電子メールが来たのです。高校の文化祭でとりあげられることから見学してみたいという私自身の関心と、1年3組からの温かい招待をうけて、6月12日に、桐生市にある桐生女子高まで出かけたという次第。
 桐女と略称するこの高校にはいってまず感じたこと。茶髪がいない、顔黒もいない、爪長のマニキュア娘もいない・・・東京の女子高生を見慣れた私には、「少女」がまだ存在していたんだというような新鮮さと、地方らしい純朴な雰囲気に、ちょっとした驚きを感じました。

 さて、玄関で受付をすませ、履いていった白のサンダルをスリッパに替え、1年3組の教室へ。
 私の顔を見て、ホームページの写真で知っていることもあり、すぐに「宮崎留美子」とわかったらしく、クラスのみなさんからの歓迎を受けました。
 さて、性同一性障害のテーマでの展示内容はというと・・・高校1年生としては、よく正確に調べ、この問題をほぼ正しく把握されているなと感じました。
 ややもすると、ホモセクシュアルやレズビアンと混同されて理解されているこの問題。その相違をほぼ正しく理解されている展示でした。そして、なによりも、性同一性障害の人に偏見をもたずに、お互いに理解しあって普通に接していける社会であることを呼びかけていたことにも、とても好感を感じました。
 もちろん、まだまだ研究してもらいたいことはありますが、まだまだ理解されている方が少ない中でのこれだけの研究発表ということ、そして、差別や偏見をなくす方向の姿勢に貫かれた発表ということ、また高校1年生ということを考えれば、最大限の拍手を送っても送り足りないぐらいの快挙であったと思いました。
 さて、せっかく桐生まで出かけた私ですから、性同一性障害に関しての展示を見に来たお客さんに、私もできるだけのことはしようと考え、展示会場のなかで、質問に答えるという形でお話ししてきました。
 新宿とか渋谷だったら、私たちのような人を見る機会はあるのでしょうが、桐生というまだ地方都市的なところでは、ブラウン管のなかでニューハーフを見たことがあるといったところ。ホンモノの女装者・ニューハーフを見たのは今回が初めてという人が大多数。大人、ことにシルバー世代の人たちは、シゲシゲと見入ってきます。本人を目の前にしている手前、「きれいねえ」とか「いつ頃からそういう格好をするようになったのか」程度の話で、とくに非難めいた言葉がなかったのはホッとしたものの、今回のような展示の前では、表向きは非難しづらかったこともあったのかもしれません。
 お母さん方世代や女生徒に比べて、男子生徒は、私を前にして何だか気まずそうな態度がありあり。元気よく「留美ちゃん、イェーイ」などと言ってくれる生徒もいましたが、これは少数。一方、女子生徒はシッカリしていてなかなか元気いいのです。私の写真入り名刺を求めて人だかりができるのも女子生徒で、持っていった60枚程度の名刺がすっかりなくなってしまいました。前から感じていたことですが、男子生徒と女子生徒の対応の違いは、こういう性の問題でははっきり表れてくる傾向があるのですね。どういうことに起因しているのでしょうか。
 一人のお母さん世代の人がちょっと正直に気持ちを吐露してくれました。その方の「普通につきあっていける」という答えに続けて、「でも、もし、私のような人が貴女の子どもさんの担任だったらどうしますか」という私の問に、「うーん、ちょっと考えちゃうかもしれないわね。慣れてないから」との話をされていました。
 当たり前ですね。これまでは「変態」「理解しかねる人たち」「なんで好きこのんで女の格好をするの」と思われていた日本の風土ですから、一朝一夕に簡単に変わるわけはないでしょう。世代交代があり、個人をたいせつにするという人権意識も高まり、ジェンダーにとらわれない生き方が普通になってきて、そういった風土ができあがってはじめて、私のような人でも、他の人と関係なく、学校の場で子どもを託すのはその人の人柄次第だとなっていくのだと思います。

 こういう「風土を変化させていく」ためにも、今回の、桐生女子高1年3組の研究発表の展示は大きな価値があったと感じるとともに、このようなテーマを文化祭でとりあげる学校が増えてくれることを期待いたします。