宮崎留美子のメイクについて


 化粧品の購入はけっこうたいへんです。というのは、お客様のニーズが、どの程度のメイクアップを要求しているのかによってもちがってくるからです。
 メイクアップは重要ではない、気にしていない、口紅がちょちょっと引いてあって、ファウンデーションをささっと塗っていればそれでいい。というようなニーズの場合には、たぶん、100円ショップの廉価化粧品だけで、しかも、5,6種類の化粧品でまにあうでしょう。
 しかし、外出したい、左の写真のように、外で風景をバックに撮影したいとか、いろんなところに女装で行ってみたいというニーズがある場合には、これはけっこうたいへんです。化粧品の種類もかなりの数になります。どれぐらいの価格帯の化粧品を購入するかによってもちがってきますが、中程度の価格帯でいくとしても2万円程度の初期投資は必要になるでしょう。購入化粧品のアドバイスも詳細になっていきます。

 上、および左の写真は、私のメイクアップです。私は女装者ですから、もちろん、肉体的な性別は男性です。しかし男性であっても、ここまではメイクでなりうるという事例だと思ってください。こんな「厚化粧」は嫌だと思われる方は、ひょっとしたら私からのアドバイスは参考にならないかもしれませんが、ちょっとお考えください。
 あなたが、まだ若くて20代あたりだったとします。そして、もともとの顔立ちも女性的なイケメンだとします。この場合は肌もきれいですし、軽く薄化粧することで、女性と見間違えるばかりになるかもしれません。
 しかし、女装者は、20代の方ばかりではありません。むしろ、40代、50代の方がかえって多いというほどです。40代、50代であれば、女性であっても「スッピン顔」はきついものです。メイクでカバーすることによって美貌を手に入れるということは普通ではないでしょうか。まして、もともとが男性であっては、しっかりとメイクすることなくしては、女性としての顔を獲得することは難しいでしょう。
 左の写真をみてください。ヒゲのあとは見えません。私がヒゲの脱毛をしていることもあり、脱毛すると肌づくりがより楽になることはありますが、そこまでしなくとも、ヒゲをきれいに剃ってあれば、1日程度であれば十分に補正し隠すことは可能です。肌はどうでしょうか。むろん、洗顔などで並々ならぬ努力はしています。しかし、メイクの工夫次第でけっこう補正することもできるのです。フェイスマスクで肌を整えたり、毛穴補正下地を使ったり、最近は肌補正のスグレモノの化粧品がたくさん売られる時代になっています。こういったスグレモノの化粧品のことはご存じですか?
 十分な時間をとっていただけるコースであれば、いろいろなアドバイスが可能になると思います。

 目には、二重(目を大きく見せる効果がある)をつくるアイテープを使っています。アイシャドウは、パープル系を基本に茶系のアイシャドウも目頭に使いながら、まぶたには白っぽいシャドウでハイライト効果をもたせています。女性のアイメイクアップもこのようにするのですが、女装者ゆえちょっとていねいにメイクしています。さらにアイラインを使って目を大きくみせるようにしました。さらに、つけまつげで目をパッチリと演出します。
 ほほ紅(チークカラー)は斜めにうまくぼかすようにいれます。最後にはフィニッシュアップ用のフェイスパウダーを使っています。
 口紅は、筆を使い輪郭を描いたあとに、中を塗っていきます。髪の毛で隠れて見えませんが、眉も、眉墨(アイプロウ)を使ってきれいに描いています。
 さあ、ここまでのメイクアップで、どれだけのグッズを使っているでしょうか?
 これはメイクアップ用品の話ですが、毛穴をきれいにカバーしたり、シワをわかりにくくするアンチエイジング系の化粧下地を使うことや、肌をしっとりさせハリを保つための化粧水や美容液も必需品です。化粧崩れを防ぐための化粧下地づくりはとくに夏場は絶対に行う必要があるでしょう。

 私は「化粧品フリーク」みたいなところがあって、新しい化粧品が出たら次々と購入してきました。購入したけれども気に入らなかった化粧品も数多くあります。無駄にした金額も大きいものです。でも、そういうプロセスを経て、化粧品について多くの知識を得てきたことも事実です。私の知識をベースにしてアドバイスしていきたいと思っています。

 私の場合、顔のメイクが終わったら、それで終了というわけではありません。指先、そう、マニキュアがあります。長い爪だと手がきれいに見えるようですよ。といっても、この爪は自爪ではありません。つけづめというグッズ。Loftのようなショップで1000数百円で10セットあたりの爪を購入したり、100円ショップで安い「白い爪」でもけっこう使えますから、それを購入して自分でネイルを塗るのです。メイクをする場で塗れば乾くのに時間がかかりますから、暇なときにやっておきます。どうやって塗るか(ただテーブルにおいて塗るというのは難しいです)についても、私の工夫をアドバイスいたします。
 マニキュアまで行うとなれば、あなたはかなりの上級女装者になっているでしょう。どうですか、このあと、オーデコロンをスプレーしていい香りを漂わせるのはいかが?