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2015年 9月 1日

お台場から隅田川クルーズ、神谷バーへ


 東京にいて日帰り旅行、それも少しばかりは「旅気分」が味わえるコースといえばどこでしょう。
 私は、お台場海浜公園に行き、隅田川クルーズ船に乗ることをおすすめしたいですね。昨今は、日本への外国人の観光客が増えたこともあって、平日の隅田川クルーズ船は、半数以上、いや、ひょっとすると、3分の2ぐらいは外国人観光客で占められるのではないだろうかと思っています。さすがに、土日祝日だと日本人の遊行客も多いでしょうが、平日は子どもを連れての家族連れというわけにはいかないでしょうから、いきおい、外国人観光客の割合は多くなってしまうという理屈です。
 9月の初日、このところずっと雨模様の日が続いていたのですが、一応「曇り」の天気予報だったこともあって出かけてみることにしました。太陽光が照りつけるわけではないので日焼けの心配が少なくなったということでは、曇りは悪くないですね。写真撮影でも曇りは絶好の日和です。太陽光による陰ができないのできれいに撮れやすいというメリットがあります。
 山手線の新橋駅で降りて、ゆりかもめラインというモノレールに乗り換えます。首都圏在住の人であればSuicaやPASMOを1枚ぐらいは持っているでしょうから、いちいち切符を買う必要はありません。ゆりかもめラインの新橋駅からお台場という駅まで乗車することにしました。途中、レインボーブリッジを渡っていくので、東京湾の眺めもちょっとした旅行気分を味わえます。
 お台場で降りるてペディストリアンデッキを5分も歩けば、もうそこは、お台場海浜公園が目の前です。

 お台場海浜公園の人気スポットともいえる場所がここ。自由の女神像を臨むことができるボードウォークです。こんなところに自由の女神なんか趣味悪い・・・という批判はさておいて。とにかく人が集まって写真を撮っているのです。ごらんのとおり、右の写真のように。ここに写っている人たちは、たぶん全員が外国人観光客ではないでしょうか。耳に入ってくる言葉は日本語ではありません。中国人(ないしは台湾の人)が多かったようですが、欧米系の人たちもけっこういたようです。カメラのシャッターを押すことをリクエストされますが、女装子だもの、そこはにこやかに対応するといいですね。こちらが女装子だとは思っていないのではないでしょうか。普通に、女性だと思っているでしょうから、笑顔で対応するのがベストでしょう。こういうときのために、女性の声(女声)が出せるように訓練しておくと、女装での外歩きのときとても役に立つと思います。
 私がどうやって練習したかというと。・・・うふふ、秘密、といいたいところですが。それでは、せっかく女装旅行記を見てくださった方の役に立ちません。話してしまいましょう。
 ずいぶん前のことだけれども・・・ テレクラというのがありましたよね。男性はけっこうお金をとられるようだけど、女性はタダ。自宅からフリーダイヤルで電話すると、テレクラの部屋にいる男性につないでくれるというシステムでした。街でそういった電話番号が書いてあるティッシュを配っていて、当時は、新宿などの繁華街を歩くと山のようにもらうことができました。そのティッシュに書かれてある番号を見てダイヤルを回します。最初のころは、「おまえ、男だろう」なんて怒鳴られたこともありましたが、そのうちに慣れてくると、だんだんと言われなくなってきて、私の方を女性として受けとってくれるようになっていきました。このあたりのテレクラの男性とのやりとりを書けば、それはそれで面白い話になるのですが、ここでは本題から離れてしまうのでやめておきましょう。
 そんなこんなで、女声で対応できるようになったことは女装外出、女装旅行ではたいへんに役に立つことになりました。これから、本格的に女装旅行をしてみたいと思われる方は、ぜひ、女性の声がでるように訓練することをおすすめしたいですね。私としては、男だとバレたら恥ずかしいからなどと臆するのではなく、開き直って割り切って女装旅行することを主張しているのですが、それでも、可能であれば、より女性にみられるようにするスキルアップはあっていいと思っています。もちろん、それは「できれば」の話であって、基本は「開き直れ」ということですよ。

 レインボーブリッジを背景にできる波打ち際での写真は絵になります。女装写真としても悪くない、というより、グッドなショットだと思います。女装写真とか関係なくても、普通に記念写真としてもいいポイントでしょう。
 この日はジーンズのショートパンツ。実はこのパンツは10年以上前に買ったものなのですが、ウエストが小さめで、太り気味になっていった私は、ついにはくことができなくなってしまったものでした。捨ててしまおうとも思ったのですが、捨てきれずにしまっておいたのです。実はこの半年、健康問題もあって減量に取り組む決意をしてなんとか続けてきました。そうすると5キロ以上やせることに成功したのです。最近、お腹の周りがスリムになったかなあと思っていましたので、しまっておいた奥から引っ張り出してきて試しにはいたところ、すんなりとはけてしまったのでした。うれしかったですねえ。やせると、いろんな服がすてきに着ることができるので、女装するのも楽しくなってしまいます。ちょっと太り気味の方は、すてきな女装のためだとの一念で、ぜひ減量にとりくんでみては? 「女装」という性に関わる欲求があれば、減量も継続できるのではないでしょうか。
 写真を撮るようになってから、いろいろとポーズを工夫するようなりました。10年前は、写真のときの私のポーズはどうしても堅かった。でも、最近はかなりよくなってきたと思っています。この写真はどうでしょうか。
 脚の膝から下をちょっと開き気味にして、顔をやや上向きにして笑顔をつくる。たったこれだけでずいぶんと柔らかさが出てきているのではないかと思っています。女装写真はすてきに残したいですね。

 この写真は、20メートルぐらい離れてズームで撮ったものです。こうすると背景がぼけてくれます。このとき私が使っていたカメラは、EOS M3。ミラーレスのタイプです。キャノンの場合、ミラーレスではない一眼レフと撮像面が同じ大きさのAPSサイズなので、画質ほぼ同等です。それでいてミラーレスなので小さいというメリットがあります。大きめのハンドバッグに入れることができるので、もっぱらこれを持ち運んでいます。
 顔認識機能がついているので、普通はAF(オートフォーカス)でしっかりとピントを合わせてくれるのですが、20メートルも離れるとなかなか難しい。そこでMF(マニュアルフォーカス)でピントをあわせることになるのですが、左の写真のように、手すりの本数などで目印がわかると、ある目印となる部分にフォーカスして、そのあと自分自身がその位置に立つようにします。こういう手法で撮るとフォーカスはしっかりときまってくれます。あとは、リモコンを使って撮影するのですが、キャノンの純正リモコンは有効の公称値6メートルなので、20メートルはいくらなんでも難しいです。ところが、ベルボンというサードパーティからキャノン製に対応するリモコンがあることを知りました。これだと30メートルぐらいまでは可能だということで、さっそく買ってみました。やってみると、実際、使えます。20メートル離れていても、しっかりとシャッターを切ってくれました。
 ズームをきかせると、引き寄せ効果というらしいのですが、背景が大きく引き寄せられて撮影できます。ボケ味も出てくる、ということで、けっこう使える機能だと感じました。レンズを望遠用に取り替えなければならないのが難点ではあるけれど。

 お台場からは隅田川クルーズ船(隅田川水上バス)が出ています。ここから浅草まで行ってみましょう。といっても、直行の水上バスはないようで、日の出桟橋というところに一度もどって、そこで、浅草行きの水上バスに乗り換えることになります。しかし、乗船券は別々に買うのではなく通しで買えます。
 お台場から日の出桟橋までの水上バスはこの日が初めての乗船でしたが、日の出桟橋〜浅草間の水上バスには2度ほど乗ったことはありました。こういうクルーズはなかなかすてきな時間が過ごせる、プチクルーズです。
 この日は平日ということもあってか、以前乗った週末のときとは打って変わって、船内は空いていました。隣にもうしろにも乗客はいない。それだけにゆっくりとした時間を過ごすことができました。ここでも、かなりの割合の乗客が外国人で、確かに、以前に比べて、外国人観光客が増えていることを感じます。

 水上バスは浅草が終点。吾妻橋のたもとに船着き場があります。そこで下船することになります。下船したら、隅田川にしつらえてある遊歩道をしばし散歩しましょう。夕暮れ時でしたが、夕暮れのなかでの散歩はなかなかいいものです。スカイツリーが大きく見え、スカイツリーを背景に写真をとるのもいいでしょう。ここでしばらく散歩を楽しんだあと、浅草1丁目1番地1号にある超老舗のバーである神谷バーに行ってみましょう。明治時代創業の、正真正銘の老舗バーです。明治創業のバーが今でも大混雑の繁盛というのが感動ものですね。
 ここではなんといっても「電気ブラン」というカクテルを注文するべきでしょう。この電気ブランこそが、神谷バーの昔からの定番メニューなのです。そうであっても、料金は実にリーズナブル。右の写真で、私が手にしているのが電気ブラン。1杯、たったの270円。ちょっとしたホテルでカクテルを頼めば、まず1000円は下らないでしょう。いや、居酒屋であっても270円という料金はなかなかないかなあ。

 こぶりのグラスになみなみと注がれてきます。一緒に水(チェイサー)がつきます。水を飲みながらでないと、そのままではちょっときついかもしれないからでしょう。電気ブランは30度。ウィスキーは40度ぐらいですからそれより軽いというなかれ。ウイスキーのオンザロックには氷が入っていてそこそこ薄くなっているはずです。電気ブランは冷やしてあり、氷は入っていません。30度はそのまま30度というアルコール度数になるわけです。
 テイストは・・・うーーん、人によって好みは分かれるかもしれません。私は嫌いではないです。うんと好きだというわけでもありませんが、慣れたらやみつきになる味かもしれないと思いました。なんてたって明治の味だもの。
 おつまみは、ソーセージとサラミの盛り合わせを注文しました。これでなんと850円だったのです。1000円以下でちょっと酔えるのです(お酒が強い人は、このくらいでは酔わないでしょうが、私には十分に酔う量でなのです)。そうそう、お酒に強い人は、ビールをチェイサー代わりにして飲むそうな。と聞いていたら、ちょうど隣に座った男性が、でっかい超特大のビールジョッキをチェイサー代わりにこの電気ブランを飲んでいました。
 ちなみに、このお店は、店員が席に案内するのではなく、自分で空いている席を探すという自由席のシステム。席に着いたら、入口で買った食券をお店の人に出すと、お酒が先に、つまみは10分程度で運ばれてくるしくみです。基本的には相席。とにかくいつも混んでいるため、5,6人で行くのならともかく、1人で入ったら(1人の客もけっこういる)まずは相席ということ。
 こういうとき、女装子は女性なんだもの。隣や前に座った男性が声をかけてくることもけっこうあります。相手も1人客だと、いい話し相手ということになるのかもしれません。このときも声がかかりました。だって、美しい私をほおっておくなどということはないでしょう(なん−−んて思ったら自信過剰ですね)。
「お姉さん、きれいだね」
・・・いい気分ですねえ。男性から「きれい」といわれて悪い気はしません。いやいや快感そのものです。しばらくの間会話が続きます。どうも私のことを女装子だとは認識していなかったのではないでしょうか。それだけに、こちらも、気をはって「女声」で話していきました。笑顔と甘えるような仕草と、うんと女子力を発揮して。